俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
ひと眠りしたけれど、まだ全身が熱を残していてだるい。
横に眠る大河のくれる温もりにまどろんでいると、いつの間にか目を覚ましていた彼が私の髪に顔を埋め、囁いた。
「本当はずっとずっと昔から、こうやって抱きしめたかった。けれど、出来なかった」
苦悩するような吐息に驚いて見上げると、大河は情けない顔で笑いながら、長い睫毛を瞬かせて私のことを見つめていた。
「恋愛には、終わりがあると思ってた。ずっとお前のそばにいるためには、友情が一番だろうなんて、勝手に考えてた」
ずっとって、いつからだろう。少なくとも学生時代は、私に興味のあるような素振りを一度だって見せてはくれなかった。
「そんな風には見えなかったけど……」
「俺はポーカーフェイスなんだ。知らなかったか?」
そう言っておどける彼は、いつもと違ってなんだか素直で優しい。
「……臆病だったんだ。失うことだけは避けたかった……」
私の髪をそっと撫でながら、まるで愛猫をかわいがるみたいに私のことを慈しみ、懺悔する。
「だから見ない振りして、別の女性と付き合って割り切ろうとした。でも、お前が見合いすると言い出したあの日、自分の間違いに気づいたんだ。お前が誰かのものになるなんて考えられない。お前の相手は俺じゃなきゃ嫌なのに」
誰にも渡さない、そんな決意をあらわすかのように、私の体が強い力でぎゅっと包まれる。
「……お見合い写真を見せたとき、笑ってたじゃない」
「笑うしかなかったんだ」
「……おもしろがってただけじゃなかったの?」
「本当は心底焦ってた。でも、そこは毅然とするのが男のプライドだろ?」
横に眠る大河のくれる温もりにまどろんでいると、いつの間にか目を覚ましていた彼が私の髪に顔を埋め、囁いた。
「本当はずっとずっと昔から、こうやって抱きしめたかった。けれど、出来なかった」
苦悩するような吐息に驚いて見上げると、大河は情けない顔で笑いながら、長い睫毛を瞬かせて私のことを見つめていた。
「恋愛には、終わりがあると思ってた。ずっとお前のそばにいるためには、友情が一番だろうなんて、勝手に考えてた」
ずっとって、いつからだろう。少なくとも学生時代は、私に興味のあるような素振りを一度だって見せてはくれなかった。
「そんな風には見えなかったけど……」
「俺はポーカーフェイスなんだ。知らなかったか?」
そう言っておどける彼は、いつもと違ってなんだか素直で優しい。
「……臆病だったんだ。失うことだけは避けたかった……」
私の髪をそっと撫でながら、まるで愛猫をかわいがるみたいに私のことを慈しみ、懺悔する。
「だから見ない振りして、別の女性と付き合って割り切ろうとした。でも、お前が見合いすると言い出したあの日、自分の間違いに気づいたんだ。お前が誰かのものになるなんて考えられない。お前の相手は俺じゃなきゃ嫌なのに」
誰にも渡さない、そんな決意をあらわすかのように、私の体が強い力でぎゅっと包まれる。
「……お見合い写真を見せたとき、笑ってたじゃない」
「笑うしかなかったんだ」
「……おもしろがってただけじゃなかったの?」
「本当は心底焦ってた。でも、そこは毅然とするのが男のプライドだろ?」