俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
軽く答えた大河だったけれど、その口調はすぐさま真剣なものに戻る。

「恭子とは……もともと別れ話も出ていたんだ。ずるずると付き合い続けていたけれど、やっと踏ん切りがついた。これ以上、自分をごまかし続けることもできなくて、見合いの話を聞いたあの日、すぐに別れを切り出した」

大河の手がそっと頬に触れ、熱く紅潮した私の顔を自分の近くへと引き誘う。すべてを曝け出したその眼差しから逃れることはできなくて――。

「正直言って、就職の合否なんて関係なかった。ほかの誰にも莉依を渡すつもりなんてないんだから」

突然大河が身体を跳ね上げ、私の上に覆い被さる。
影になった姿から、瞳の光だけが一筋きらめいて見えた。

「誰のものにもなるな。俺だけのものになれ。この先、一生、俺のそばから離れるな」

それはプロポーズなのだろうか。あるいは彼の決意なのかもしれない。
情熱的な瞳で、私の返答をじっと待っている。

もちろん気持ちは同じだ。この先、大河から離れろと言われても困ってしまうし、彼なしで生きていける気がしない。
ふたりが離れることは、この二十数年間――私の人生の大半を消し去ってしまうことと同じだ。

こくりと頷いた私に、彼の瞳の熱が増して、再び焼けるように熱い情熱的な口づけが始まる。

長い年月、触れ合わずに耐え続けてきた埋め合わせをするように、私たちはもう一度強く体を重ね合った。
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