俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
土曜日の朝。
スーツ姿の大河と、スカートにジャケットを合わせた私、ふたりして身なりを整えて家を出た。
目的地は会社ではない。仕事よりも、もっとずっと困難なことを成し遂げにいく。
大河の運転する車は、都心のビル群を通り抜け郊外へと進み、環状道路から一本逸れた住宅街へと入り込む。
途中からよく知る道になって、緊張に胸がドクドクいい始めた。
運転席の大河はどうかと覗き見ると、平気そうな顔をしながらも、普段より少しだけ口数が少ない気がした。
目的地である私の実家で待ち構えていたのは、口をへの字に引き結んだ父。
リビングの紅白幕は取り外され、以前と同じテレビ台やローテーブルが置き直されていた。そのテーブルの奥側に、父がどっしりと腰を据えている。
「新海くん、いらっしゃい」
母は数日前の結納騒ぎが嘘のように能天気な声でお茶とお菓子を運んできたあと、不機嫌そうな父の隣に腰をおろした。
ふたりの正面に私と大河は正座し、まず最初に口を開いたのは大河だった。
「莉依さんをください」
なんの飾り気もない、直球の言葉だった。
スーツ姿の大河と、スカートにジャケットを合わせた私、ふたりして身なりを整えて家を出た。
目的地は会社ではない。仕事よりも、もっとずっと困難なことを成し遂げにいく。
大河の運転する車は、都心のビル群を通り抜け郊外へと進み、環状道路から一本逸れた住宅街へと入り込む。
途中からよく知る道になって、緊張に胸がドクドクいい始めた。
運転席の大河はどうかと覗き見ると、平気そうな顔をしながらも、普段より少しだけ口数が少ない気がした。
目的地である私の実家で待ち構えていたのは、口をへの字に引き結んだ父。
リビングの紅白幕は取り外され、以前と同じテレビ台やローテーブルが置き直されていた。そのテーブルの奥側に、父がどっしりと腰を据えている。
「新海くん、いらっしゃい」
母は数日前の結納騒ぎが嘘のように能天気な声でお茶とお菓子を運んできたあと、不機嫌そうな父の隣に腰をおろした。
ふたりの正面に私と大河は正座し、まず最初に口を開いたのは大河だった。
「莉依さんをください」
なんの飾り気もない、直球の言葉だった。