俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「言ったはずだ。娘はやらんと」
説得の余地もなく、父は首を横に振る。隣の母が困った顔でその様子を見つめていた。
少し離れたダイニングテーブルで携帯をいじりながら傍観していた弟の莉生が「いいじゃん、姉ちゃんが玉の輿に乗るチャンスだよ?」と軽口を叩くも――。
「お前は黙っていろ」
ぴしゃりと言い放った父の言葉に、莉生は大人しく口を噤む。
姿勢を正したままで大河が言う。
「どうすれば認めていただけますか」
「どうもこうもない。認めるつもりはない」
「それでは納得できません。先日のお見合い相手の男性にはあって、俺にないものはなんですか」
「ないのではない、ありすぎるんだ」
眉間に力を入れくっきりと皺を刻みながら、鬱陶しそうに父が言った。
「君はなにもかも持ちすぎている。地位、名誉、金。莉依のような一般市民じゃ、すぐにもの足りなくなるだろう。君に捨てられて泣いている莉依の姿が、目に映るようだ」
「俺は莉依さんと別れるつもりはありませんし、もの足りないと感じたこともありません」
「今でも君の周りにはたくさんの女性が寄ってくるだろう。ご両親も良縁をたくさん用意してくれてるんじゃないのか?」
父の言葉に一瞬大河が押し黙る。
説得の余地もなく、父は首を横に振る。隣の母が困った顔でその様子を見つめていた。
少し離れたダイニングテーブルで携帯をいじりながら傍観していた弟の莉生が「いいじゃん、姉ちゃんが玉の輿に乗るチャンスだよ?」と軽口を叩くも――。
「お前は黙っていろ」
ぴしゃりと言い放った父の言葉に、莉生は大人しく口を噤む。
姿勢を正したままで大河が言う。
「どうすれば認めていただけますか」
「どうもこうもない。認めるつもりはない」
「それでは納得できません。先日のお見合い相手の男性にはあって、俺にないものはなんですか」
「ないのではない、ありすぎるんだ」
眉間に力を入れくっきりと皺を刻みながら、鬱陶しそうに父が言った。
「君はなにもかも持ちすぎている。地位、名誉、金。莉依のような一般市民じゃ、すぐにもの足りなくなるだろう。君に捨てられて泣いている莉依の姿が、目に映るようだ」
「俺は莉依さんと別れるつもりはありませんし、もの足りないと感じたこともありません」
「今でも君の周りにはたくさんの女性が寄ってくるだろう。ご両親も良縁をたくさん用意してくれてるんじゃないのか?」
父の言葉に一瞬大河が押し黙る。