俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「さ、さすがにそこまで甘えるわけにはいかないよ……」

大河の体を押し返して拒むと、彼は不思議そうな顔をした。

「嫌なのか?」

「だって、それじゃ私、情けなさすぎるでしょ? 親に反発して家を飛び出した上に、自分ひとりじゃお金も稼げなくて、幼なじみの家に居座り続けるなんて、ヒモ以下だよ」

大河が私のことなんて好きになるはずがない。浮かれてしまわないように、自分自身を戒めた。
私は大河の彼女でもなんでもないのに、そこまでして貰う義理なんてないんだ。

「ちゃんと再就職先決めて、親にも納得してもらいたいし……」

顔色をうかがいながら恐る恐る答えると、大河はムッと眉をひそめて不満そうに口を開いた。

「就職、できればいいのか?」

「そうすれば、お父さんも納得してくれるだろうから」

「それなら、俺がお前の就職先を用意してやる。俺の会社にくればいい。どんな仕事がいい? 前の会社では食品の企画してたんだっけ? それなら商品の企画関連の部署がいいよなぁ……」

「えっ!? いや、あの、ちょっと……」

「いや、でも、男の多い部署は不安だな。莉依は隙だらけだし、前にもセクハラを受けて会社を辞めた実績があるからな。女性の多い部署はあるかな」

手を顎に添えて、ひとりぶつぶつと呟きながら大河は思考を巡らせる。
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