俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
大河の実家は、私の住むこの家から徒歩一分のところにある、五百坪と称される大豪邸だ。
その超セレブ一家の長男として生を受けた彼は、お坊ちゃまのくせに以外と自由奔放に育てられ、小、中学校ともにお受験ではなく、私と同じ公立のごく普通の学校に入学させられた。
小学生には身分の差など関係ない。家が近いこともあり、ごく自然に仲よくなった。
さすがに高校以降は学校が離れて少々疎遠にもなったが、それでも定期的に顔を合わせては、近況報告なんかをしている。
「つか、だったらどうして会社辞めたりしたんだよ。大手に就職できてラッキーって言ってただろ」
「……話したじゃない、部長のセクハラが酷くて耐えられないって。っていうか、さっさとそんな会社辞めろって焚きつけたの、大河だよ? まさか覚えてないの?」
「そうだっけ?」
あっけらかんと言い放つ大河。この男、人の人生を左右する助言をしておいて、覚えてないってどういうことよ。
――とにかく、大学を卒業して就職した食品関連の大手企業は、待遇こそよかったものの、部長のお尻お触りが酷すぎて五年で退社の運びとなった。
現在、二十七歳にして無職――二度目の就職活動に勤しんでいるわけである。
「で、今度はコレと結婚させられるわけだ? お前、ほんっと男運皆無な!」
「もう、これ以上からかうならさっさと帰って!」
「待てって、からかうためにわざわざ来たわけじゃねぇって」
大河がショルダーバッグの中身をがさごそ言わせて取り出したのは、綺麗にラッピングされた箱だった。
「これ、渡すためにきたんだからな。喜べ。フランス出張の土産」
「うわー! ありがとう!」
その超セレブ一家の長男として生を受けた彼は、お坊ちゃまのくせに以外と自由奔放に育てられ、小、中学校ともにお受験ではなく、私と同じ公立のごく普通の学校に入学させられた。
小学生には身分の差など関係ない。家が近いこともあり、ごく自然に仲よくなった。
さすがに高校以降は学校が離れて少々疎遠にもなったが、それでも定期的に顔を合わせては、近況報告なんかをしている。
「つか、だったらどうして会社辞めたりしたんだよ。大手に就職できてラッキーって言ってただろ」
「……話したじゃない、部長のセクハラが酷くて耐えられないって。っていうか、さっさとそんな会社辞めろって焚きつけたの、大河だよ? まさか覚えてないの?」
「そうだっけ?」
あっけらかんと言い放つ大河。この男、人の人生を左右する助言をしておいて、覚えてないってどういうことよ。
――とにかく、大学を卒業して就職した食品関連の大手企業は、待遇こそよかったものの、部長のお尻お触りが酷すぎて五年で退社の運びとなった。
現在、二十七歳にして無職――二度目の就職活動に勤しんでいるわけである。
「で、今度はコレと結婚させられるわけだ? お前、ほんっと男運皆無な!」
「もう、これ以上からかうならさっさと帰って!」
「待てって、からかうためにわざわざ来たわけじゃねぇって」
大河がショルダーバッグの中身をがさごそ言わせて取り出したのは、綺麗にラッピングされた箱だった。
「これ、渡すためにきたんだからな。喜べ。フランス出張の土産」
「うわー! ありがとう!」