俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「そんなに、味見してみたい?」

うんうんと何度も頷くと、じゃあ、と言って人差し指を唇に当てた。

「俺とキスしてみれば、味がわかるかもよ?」

「へっ!?」

思いもよらぬことを言われて、思わず肩が跳ね上がった。
なにそれ、なんの冗談?

「どうする? 味見してみる?」

「え……あの……」

「目ぇ瞑ってみ?」

「や……なに言って」

「莉依」

なんだかちょっと本気っぽい声を出して、色っぽい瞳で近づいてくるから、頭が真っ白になってしまった。

「早く。目、閉じろ……」

大河の大きな手のひらが顔の前で上から下にスライドして、私の目を閉じさせた。
鼓動がばくばくいって、思わず瞑った瞳にぎゅっと力が入ってしまう。
なにかが近づいてくるのがわかる。
本気なのだろうか。キスで味見だなんて嘘でしょう!?

すると、唇にべちょ、ぷるん、というものが当たって、思わず私は目を開けた。
大河が、フォークにパスタを巻きつけて、私の唇に押し当てていた。

「わはは、そうまでして食いたいのか。お前の食欲、すげぇなぁ」

目の前で大河があっけらかんと笑っている。
こ、こいつ……っ!
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