俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
ちょっと本気にしてしまった自分がバカみたいで、怒りと恥ずかしさにわなわなと打ち震えていると、大河が眉を跳ね上げてニヤリと意地悪な顔をした。

「あー。もしかして、莉依は本気で俺とキスしたかったのかなぁ?」

「誰があんたとキスなんか!」

思いっきりフォークごとパスタにかぶりつくと「あ、こら、離せ!」と大河がフォークをバタつかせた。

「本当に食べるなよー、間接キスになっちゃうだろ」

「私と間接キスできて、光栄でしょ!?」

フン、と鼻を鳴らしてあしらうと、むくれた大河はこれみよがしにフォークにかぶりついた。

あ。本当に間接キス……。

驚いて目をぱちくりさせると、途端に大河はドヤ顔になる。

「……なに意識してんだよ」

「し、してないよ!」

「素直に俺のこと、好きって言えば?」

「なに勘違いしてるの! うぬぼれないでよ!」

腹いせに高級ハンバーグへ手を伸ばすと、大河は「あぁ! 俺の!」と悲愴な声を上げた。
ふん。いたいけな乙女をからかう方が悪いんだ。

「太っても知らないからな」

「私はこのあとも勉強なの。脳に栄養が必要なんだから」

ちょっぴり豪華な夕ご飯を済ませたあと、私は再びリビングのテーブルに向かい勉強を続けた。
明日も仕事の大河は、一足先に寝てしまったけれど、私はひとりリビングに残り、窓からのぞく外の景色が白み始めても勉強を続けていた。
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