俺の花嫁～セレブ社長と愛され結婚!?～
４　押し倒されるのも楽じゃありません
「おはよ。やってるかー？」

いつもよりちょっぴり遅めの朝。
大きな伸びをしながら、ラフなパーカーに身を包んだ大河がリビングにやってきた。

「おはよう。今日はお休みなの？」

「ああ。社長も一般社員と同じく週休二日で土曜は休み。……まぁ、しょっちゅう呼び出されて返上させられるけどな」

ガラステーブルでいつものごとく勉強していた私を一瞥したあと、大河はなに食わぬ顔でキッチンに入っていった。
昨日起きたちょっと気まずい出来事にはまったく触れず、いつも通りカチャカチャと食器を鳴らしている。コーヒーを淹れるみたいだ。

「勉強、今日中に終わらせろよ。明日は準備もあるし」

「うう、終わるかな……」

「そこまできたら、もうあきらめろ。安心しろ、最初の一週間くらい、慣らし運転で働かせてやる」

そう言って大河が淹れたてのコーヒーを私のところまで持ってきてくれた。
砂糖一杯と多めのミルク。この三日間で私の好みを覚えてくれた。

「ありがとう」

「どういたしまして」

「それから……この資料もありがとう。私が寝ている間に、まとめてくれたんだよね」

「ああ」

大河はふっと控えめに笑みをこぼす。
< 40 / 173 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop