俺の花嫁~セレブ社長と愛され結婚!?~
「だってお前、黙ってみてたらいつ終わるかわかんないし。放っておけねぇんだもん」

「……ごめん。迷惑ばっかりかけて」

「迷惑なんて思ってねぇよ」

大河が私の頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でまわす。
昨日酷い拒み方をしてしまって、どういう顔で向き合えばいいか悩んでいたところだったから、いつも通りであることに安心した。
なんにせよ、ムキになって声を荒げたことは謝らなくては。

「あのね、昨日のこと……」

「ん?」

大河がちょっとだけ眉をひそめて反応する。
そのリアクションにドキドキしながらも、ちゃんと言おうと自分を奮い立たせた。

「ムキになって怒鳴ったりして、ごめん。でも、私のために大河が犠牲になるのは違うと思うんだ」

私を助けるために、結婚までしようと言ってくれたこと。
その優しさはすごく嬉しいけれど、愛のない結婚を大河に強いるなんてできない。

「莉依」

大河が真面目な顔になって膝をつき、カーペットに座り込む私に目の高さを合わせた。

「いっておくけど、俺はお前のために犠牲になったことは一度もない。これから先、そうするつもりもない。全部自分のためにやってることだ。お前をこの家に連れて帰ってきたのも、秘書として雇ったのも」
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