優等生、中川君。

───────…






隣りの席の中川君。

見るからに優等生な中川君。


怒ったら怖そうだな~。
正人とは、正反対って感じ。



昼休み。



そんな事を考えながら、あたしはお弁当と中川君が貸してくれたノートを持って図書室へ入る。


窓側の一番端っこの席。
端っこってなんだか落ち着く。




ゴロン、と机に自分の両手を置き、腕に顔を乗せてケータイを見る。


「正人」と書かれたメールボックスを開ける。


最後にメールをしたのは5日前。



「はぁ…」


ため息をつく。

正人は、付き合う前まではとても優しかった。

付き合って3日経ったぐらいから、冷たくなったけど。




ただしい姿勢に戻り、お弁当のふたを開ける。




ゆかり、あんたの見る目は正しかったよ。

あたしは、自分で選んだ男は皆、あたしの悩みの種になる。



「はぁ…正人…。」



また、ため息をつく。


名前を呼んだって、来る訳ないのに。




あたしは黙々とお弁当を食べ始めた。





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