優等生、中川君。
「…………。」
ぼーっとしているとケータイが震えている。
「あ…電話…」
着信:ゆかり
「もしもーし」
『もしもしこころ!?』
「うん、どしたあ?」
『ちょっと、こころあんた!!』
「えっ?なによ…」
『なによじゃないわよ!!そんなの…んき…し…ば』
「ゆかり?聞こえない…」
『だ…ら、正人…おん…歩…ブッ…プーップーップーッ…』
「…き…切れた…」
なんだったんだ。
もう一度ゆかりにかけ直すが、圏外らしくてかからない。
諦めて、ケータイをおいた。
昼ご飯でも食べに行こうかな。
そう思って服を着て、鍵と財布とケータイだけを持って家を出た。