優等生、中川君。
──────‥
「ごちそう様。美味しかったあ。中川君、食べるの遅いね。」
「そうかな。」
「そうだよ」
中川君のお皿を見ると、まだ1/3は残っていた。
「こころさんは、一生懸命食べてたからね。」
中川君は、くすっ、と笑ってまた、自分の料理を食べ始めた。
そ、そこまで一生懸命だったかな…?
中川君にそんなところを見られていたと思うと、少し恥ずかしくなった。
ブーッブーッブーッ…
「…こころさん、鳴ってるよ」
「…えっ?…あ、本当だ。」
カバンからケータイを取り出し、見ると確かに電話が鳴っていた。
着信:ゆかり
またなんかあったのかな?
「ゴメンね、ちょっと待ってて」
中川君は、うん。とだけうなずいた。