優等生、中川君。
「だからさ、好きじゃないんなら、付き合ってる意味がないだろ。」
「…うん。」
「そーゆーこと。」
「…へっ?どーゆー…」
「こころさん、最後に決めるのって、やっぱり自分だと思うけどな。」
今まで、冷静に意見を行っていた中川君が、パッとあたしの方へ向いて、そう言った。
「決めるって…」
「さ、出ようか。」
中川君は、会計票、それに本と鍵をとり、立ち上がった。
「えっ、えぇ…っ」
な、中川君…。
「これからちょっと用事があるんだ。家まで送って行くよ。」
「あっ、うん…」
「先出てて」
そう言って、あたしにバイクのキーを渡してきた。
「あっ、お金…っ」
「いいよ、払うから。」
「いや、でも…」
「大丈夫だって、ほら、鍵。」
中川君は、早く。と言う風に、キーを渡してきた。
「ゴメンね…」
「ん。」
外へ出ると、泣きそうになる。
あぁ…どうしてだろうか…