優等生、中川君。
「ここ?」
「うん、送ってくれてありがとう。」
「いえいえ。それじゃあね。」
「うん、またね。」
あたしが手を振ると、中川君は、にこっと笑って去って行った。
ゆかりにも、言わなくちゃ。
そう思いながら、家へ入る。
部屋へ入って電話をする。
発信:ゆかり
『はーい』
「もしもし…ゆかり?」
『おお、こころ!』
「あのね、あたし明日別れる事にしたの。」
『そっか…明日でいいの?』
「今日は、彼女とデートみたいだしね」
クスクスと笑いながら、ベッドに入る。
『そっかあ…分かったよ。どしたのかと思ったよ』
「へへ。それじゃあね。」
『ん、ばいばい。』
プーップーップーッ…
電話が切れる。
電気をつけていない、暗い部屋の中は、空しさが少しあった。