優等生、中川君。
──────…
休み時間。
誰も来ない、4階へ続く階段。
そこで、電話をかける。
あの人に。
「もしもし、………正人。」
『誰?』
「…もう、分からなくなったかな」
『…こころ?』
「そうだよ。…学校来てる?」
『来てないけど。』
「…今から、正人んち行っていいかな?」
『あぁ、いいけど…30分だけだぞ。』
「うん。」
会う約束をして、電話を切る。
下へ降りる時、心臓がうるさい事に気付いた。
これは、不安のドキドキか。
声を聞いたからのドキドキか。
どっちにしても、もう関係ないね。
階段を降り終わって、玄関へ向かう。