白い虎と蝶 ~絆~
鍵は彗に任せるか。
俺が外そうとしても簡単には、外れるようには見えねーし。
「鎖を解く鍵なら、俺が持ってるよ?」
「お前は、たしか朱雀って言ったな」
白蝶にあんなことしやがって……こいつ許さねぇ。
「おぉー、俺のこと知ってたか?こいつを取り返しに来たってところか?」
「そーだ。鎖の鍵を渡してくれれば面倒事がなくなるんだがな」
「白蝶はお前らの姫なのか?」
「答える義務はないっすね、その質問」
「そーか。でも、あいつは姫じゃないだろーな。守ってもらうこと嫌いだからな。
それに、なにより誰かを信用なんかするような女じゃないからな」
「面倒事は嫌いだって言っただろ?いいからさっさと鍵を渡せ」
「力ずくでやってみろ」
「望むところだ」
朱雀が白蝶の壁になるように俺たちの前に立つ。
あとは慧に任せることにした。
「白蝶に何をしたんすか?」
「何もしてないよ?」
会話を始めた2人。
ただ会話してるだけじゃない。
相手がどう出るかを見てる。
「あの白蝶があんなに怯えてんすよ?何かしたとしか思えねっす」