白い虎と蝶 ~絆~
「憶測で物を語るもんじゃないよ?君たちは何も知らないんだろ?
あいつが話してないんだ。あいつは自分の過去は信用した奴にしか話さない。
俺はなんでか始めて会った時から嫌われててね。声すら最近まで聞いたことなかったよ」
「俺らは全部じゃないが、お前のことも聞いてる。まなから直接な。
少なくともお前よりは今のまなを知ってる」
「なら知ってるでしょ?俺は何もしてない」
「白蝶に何しやがった!」
朱雀を殴る。
だけど、その手は簡単に朱雀の片手で受け止められた。
「っ!!」
「昔の話だ。今更、全部お前らに話したところで俺があいつをどうにかしたのは変わらない。
それは消えない過去だ。あいつにとっても、な?」
朱雀は手を振りほどき寝ている白蝶に近づく。
やめろ。
触れるな。
それ以上近づくな。
気づいたら俺は白蝶の盾になるように朱雀の前に立っていた。
簡単に敵に背中なんか向けやがって。
「最近……まなが転校してきた時のこともか」
「M校に入学して屋上で久しぶりに会って話しただけだ。
ここではその女を気絶させるのを手伝った。その後は知らねぇーよ。
今のあいつの体なんか俺は知らない。だけど、ここに連れてきてそれなりに経ってるからな」