白い虎と蝶 ~絆~
知ってた
みんながいなくなってから外では寒いだろうと幹部部屋に行き、ソファーに寝かせた。
上から俺の上着を掛け、少しだけ暖房をきかせる。
どのぐらいそうしていただろう。
俺はずっとまなの手を握って起きるのを待った。
「んっ……」
まなの目が開く。
まなが、今こうして無事に俺のそばにいることがなによりも安心した。
でも、まなは違うようで。
まだ震えていた。
だから、俺は同じように安心させようと抱きしめた。
「もう大丈夫だ」
俺の腕の中で暴れるまなを逃さないように強く、だけど優しく抱きしめる。
「怖かったな」
そう言いながら俺はまなを抱きしめて、頭に手を置く。
しばらくそのまま落ち着くまで抱きしめて大丈夫だ、もう大丈夫と言い聞かせる。
「か……なめ?」
「まな……」
まなの震えが止まっていて、学校の時のように俺の腕の中におさまっていた。
どうやらさっきまで俺だとわかっていなかったようだ。
「まな、お前に起こったこと俺に話せるか?」
「私に……起こった、こと……」