白い虎と蝶 ~絆~
また、震えてる。
まぁ、俺に触れる時も少し震えてたんだけどな。
他の人よりは酷くないみたいだけど。
「大丈夫だ、俺はここにいる。お前が不安なら手、握っててもいいぞ?」
「このままが、いい。でも、かなめは……私に、言いたいこととか、ないの?」
このままとは、抱きしめたままということだろう。
「ある。いっぱいな」
「うっ……なら、お先にどうぞ」
「俺の話が終わったら、ちゃんと話すか?」
「うん」
まなが俺にもたれる。
その行動にほとんど無表情の俺の頬も簡単に緩む。
頭に手をおいて、ゆっくり後頭部を撫でながら話した。
「まなが、白蝶だってことはお前と話した日、転校してきたその日に予想してた。それからお前のこと調べたんだけど、何も出てこねぇんだ。
だけど、あの日の午後4時頃にお前の情報が見られるようになってた。だからお前が白蝶だってことは知ってるんだ」
「そっか……ごめんね?騙してるみたいになって」
「俺たちは騙されてねーよ」
「え?」
「お前が転校してきたその日にまなが『いない』ことはわかってたんだ。
それに、俺は白蝶があそこに、引っ越すと知ってあの家にしたんだからな」