白い虎と蝶 ~絆~
"家族"
お兄ちゃん
【sideかなめ】
「…………」
目を開けると天井が見えた。
俺、なんで……。
…………………。
あ、そうか。
俺……あいつにキス……したんだ。
あいつがどこかに行くと思って。
あいつとつばきが重なったんだ。
それに、なんか……だるい。
「そういえば、まなは?」
ん?
服が違う。
まなが着替えさせたのか。
あいつ、大丈夫なのか?
ガチャ。
やべ!
誰か入ってきた!
俺は咄嗟に寝た振りをした。
俺は部屋に入ってきたやつにタオルで汗を吹いてもらったりいろいろ看病ってやつをしてもらった。
大丈夫。大丈夫。と繰り返しながら。
そんなこと言って看病するのはまなぐらいしかいないな。
それに、手が震えてる。
寝た振りなんかして、申し訳ねぇな。
でも、体がだるいのは本当なのでされるがままにしておくことにする。
一通り看病し終わったであろう時に何かを呟いて部屋を出ていった。