白い虎と蝶 ~絆~


「かなめだから、って信じようって思ってたのに……」



「まな」



「そんなこと言うなんて……ひど」



俺の声が聞こえないぐらいに怒ってる。



だけど、俺が間違っていたことに気づいて咄嗟にまなを抱きしめた。



「ごめん。ほんとはわかってる。



さっき俺があんなことしたのに、まなは俺から離れていってない。



むしろ、俺の看病してくれた。その時点で、わかってる」



「か……かなめ……お、覚えて……」



「ちゃんと覚えてるよ。その後からはわかんねーけど」



「な、んで……キスしたの?」



震えてる。



まだ、俺は熱があるから俺が震えてるのかもしれないけどそれだけじゃないのはわかる。



「今はまだ話せない。俺に震えなくなったら話してやるよ」



まなの肩がビクリとした。



「………なにそれ」



そう言ってまなが笑う。



俺がまた一方的に抱いてるだけだが、くっついたまま話している俺たち。



俺だけが腕を回していた。



「かなめ」



「ん?」



まなに名前呼ばれた……密着?してる時に呼ぶなんて珍しいな。

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