白い虎と蝶 ~絆~


「っ!!」


「残った俺と生まれたばっかりの妹は施設に預けられることになった。親戚とは縁を切ってたみたいでな。



でも、まだ生まれたばっかりの妹は施設に預けられる年齢なるまで病院で育てることになった。



俺は施設。妹は病院。



俺は妹が施設に入れるようになるまでの数年だけ1人でいればいいと思ってた。


妹が俺と同じ施設に来て、そこからは2人だけで過ごせばいいと思ってた。



すぐ、会えるって思ってた」



まなにはなにか重なるところがあるんだろう。



両親を同時に亡くしてるところ、施設育ちなこと。



「でも、妹が施設に預けられる年齢になっても妹は来なかった。


妹が違う施設に預けられたっていう考えに至るまでにそんなに時間はかかんなかった。



それから俺は中学生になって妹探しを始めて、あいつらとつるむようになって白虎を作ったんだ」



さらにまなの手に力が入る。



これ以上ないってぐらいに。



俺はその手に自分のを重ねると、まなの力が緩くなった。



「名前は、高城つばき。俺は妹の情報を手に入れるために調べた。



でも、出てこないんだ。おかしいだろ?



一般人なら出てくるはずなんだ。なのにでてこない」



「…………」



「俺はその理由を知りたい。妹と一緒に暮らしたい。唯一の家族と、一緒に」



「それは、まだ……できない」



「え?」

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