白い虎と蝶 ~絆~
「白蝶には、わからねーよ」
「かなめが何に焦ってるのかなんてわからないけど、私もそれなりに苦労してることはある」
「そうだろうな。自分から手を繋いできたくせに、震えてるんだもんな」
「ぇ?」
私が手を離さないのはかなめのため。
じゃあ、かなめは?
それを知っててかなめが離さないのはなんで?
「お前の家、ここの近くなのか?」
「う、うん。すぐそこのマンション」
「俺なら、大丈夫だって思えるんだろ?俺の話するから。
ここだと話せねーし、俺の家は入れないだろ?」
大丈夫だっておもえるんだろ?って………確信してるじゃん。
疑問形で聞いてるけど確信してるじゃん。
それでも、私は条件をつけた。
「かなめから私に触れないこと」
「わかった」
素直に了承する。
なんだかな。
かなめの前だと調子が狂う。