白い虎と蝶 ~絆~


「もう隠さなくていい。白蝶の姿のまま外にでろ。それで、俺の隣にいろ」



「いいけど……なんで?」



なんの意味があるの?



「朱雀にも、青龍にも白蝶の正体がバレてる。



それに、俺らが助けた時点で俺らにとって大切な存在だってことも同時に相手にわかっちまった。



白蝶と白虎が手を組んでるって感じになってるだろう。



青龍も黒狼も俺らの敵。それに卑怯な手を使うやつらだ」



な、なるほど。



「まして、つばきは女だ。あいつらは1度攫われたことのあるやつをまた狙うだろう」



「だったら」



迷惑かけないためにも距離を置いた方がいいんじゃ?



そう言おうとしたけどかなめがそれをさせてくれなかった。



「俺らから距離を置いた方がいいって言いたいのなら言わせてもらうがまた同じことされたらどうする?」



「そ、れは……」



何も言えない。



だってその通りだから。



同じことされたら………。



今度こそわたしは、かなめをも拒絶するだろう。



かなめはそこまで分かってて、初めからそばにいろと言っていたんだ。



「ごめん」



「いい。俺がそうしたいだけだ」

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