白い虎と蝶 ~絆~
で、でも、やってもいいのかな?
「やってくれねーの?」
珍しくかなめが甘えてるように見えて私は熱い頬がバレないようにかなめに布団をかけた。
でも、かなめの手が布団をかけさせてくれなかった。
布団に触れる手間で腕を掴まれたから。
「??」
な、なに?
グイッ。
「え?」
かなめに腕を引っ張られ、布団にダイブする。
「伝染(うつ)しちまったら悪い。でも、こうしててくれ」
こ、れは……えっと、私もしかして今、かなめに抱きしめられながらベッドで、2人で寝る?
兄妹だから……大丈夫だよね?
「ふっ。俺で震えなくなったな」
嬉しそうに耳元でかなめが言う。
もう、かなめじゃ震えないよ。
安心するもん。
それに、落ち着くし。
熱でいつもよりあったかいかなめの体温。
かなめの温かさは好き。
「ん……」
私にはもう家族はいないと思ってた。
魁さんたちは家族だと思ってた。
魁さんも隆さんも私のお父さんみたいな存在だった。
でもその家族がいなくなった。