白い虎と蝶 ~絆~

電話の相手



「ん……」



「あ、まなちゃん!起きた?」



誰の声?



聞いたことがある。



なんか、久しぶりに聞いたような……。



「まーなーちゃん?」



この声って、隆…さん?



隆さんの声がする。



「おい、まな!!起きろ!」



今度は、かなめ?



なんで、かなめと隆さんの声が?



「んん………かなめ……」



私は手を伸ばす。



すぐにその手を取ってくれた。



それに微笑んでもう一度寝ようとすると手を引っ張られた。



「よ……っと! 寝るなら俺に寄りかかって寝てろ」



「かなめ?」



引っ張られたおかげで少しだけ目が覚めた。



周りを見れば懐かしい光景。



そこは、かつて私が生活していた部屋だった。



「ここ………久しぶりだね」



「まなちゃん、やっと起きた?」



隆さんは私が起きた時にしばらくウトウトしていることに慣れたんだろう。



いつもだったからね。



魁さんがいた時は魁さんによく「ごめんな。抱っこするぞ」って言われて魁さんの腕の中で目を覚ましてたっけ。

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