白い虎と蝶 ~絆~
かなめは隆さんを疑ってるわけじゃないんだ。
「かなめ、ここは大丈夫だと思うけど………」
この家を、部屋を疑ってるんだ。
だってこの部屋は魁さんが管理してた。
今は隆さんが管理してくれてる。
それに、誰も部屋には入れてないから。
「まなちゃんが、ここまで心開いてるとは……驚いた」
「えーっと、隆って呼べばいいっすか?」
「うん。敬語もなしでいいですよ?俺のこれは癖だから気にしないで貰えれば」
「そう。なら、遠慮なく」
え、ちょ、2人して顔が怖いんだけど?
なんで?
「あ、あのー………」
「「まなはちょっとまってて(ください?)」」
2人して被らなくていいでしょ……。
仲悪そうに見えるけど、意外と相性いい?
「俺が考えてることわかるの忘れてる?」
「あ、ごめん。ついつい気が緩んじゃって」
かなめがいるといつも気を貼ってるのに、安心しちゃうんだもん。
「まなちゃん?そんなに信用しちゃって、大丈夫なの?俺にはそうは見えないけど?」
「え、あ、いや、ちょっと2人とも落ち着いてよ。なんでそんなに2人して怖い顔してるの」
なにこれ。
何この状況は。
どうしてこうなった。
隆さんに至ってはずっとかなめの様子を伺ってるし、かなめはかなめで私の手を握ってて離さないし。
とりあえず私は黙ってるからどうにか話を進めて下さいませんか。
「わかったわかった。早く終わらせるから、もう少しこのまま待ってて」
「はーい」