白い虎と蝶 ~絆~
私は咄嗟にかなめから離れる。
「だーめ。もう少しこのままでいて?」
かなめがそれをさせてはくれなかった。
少しだけ離れた距離をあっという間に元に戻されてしまった。
「え!?ちょ、か、かなめ!?」
「お前!まなちゃんから離れろ!!」
隆さんの前でなにを!
は、恥ずかしい………。
自分の顔があついのがわかった。
み、見られてない、よね?
かなめの胸元に自分の顔を押し当てて顔が見れないようにする。
「……ふっ。恥ずかしかった?」
そう言って私の頭を撫でなる。
かなめってほんと頭撫でるの好きだよね。
「………はぁ。全く。おい、お前」
「なんだ」
「それが落ち着いたら俺を呼べ。お前らに話がある」
「わかった」
そう言って隆さんは部屋を出ていった。
しばらくの間私はかなめの腕の中にいた。
その間かなめはいつものように頭を撫でていた。
するとかなめの携帯が鳴った。
私はかなめから離れようと少しだけ体を離す。
「このままでいいよ。出れるから」
穏やかな声でそう言われてしまっては言うことを聞くしかない。