白い虎と蝶 ~絆~
「隆さんは人がいる時その名前では呼ばない。かなめもそれに気づいてるよ?」
部屋の扉を開けずに会話をする。
かなめは私の後に立った。
かなめの顔を見れば、怖い顔をしていた。
警戒してる。
「そいつのことを信じただけだよ。それに、話してるんでしょ?昔のこと」
隆さんがかなめのことを信じてくれたのは嬉しいけど、おかしい。
前までの隆さんだったら、私が返事をした時点で扉を開けて入ってきてたのに今はそれをしてない。
「かなめ?」
怪しいと思ったと同時にかなめが私の前に立った。
「入ってこいよ」
ゴクン。
扉をじっと見つめる。
ガチャ。
「はぁ……全く。かなめはほんとまなちゃんのことになると警戒心MAXだよね」
「かなめらしくないっすね」
「ほんとだよ♪僕がまなちゃんを落とそうと思ってたのにぃ!」
入ってきたのは彗たちだった。
私は目を見開く。
ひかるはそんなこと思ってたの?
「うるせーよ。調べたんなら知ってんだろ」