白い虎と蝶 ~絆~


かなめが何を言わずに手を握る。



「朱雀は、魁さんを殺した張本人だよ」



「「「「っ!」」」」



4人の息を呑む音が聞こえた。



「それが会長にバレて追い出された。でも、それよりも前に朱雀が自ら抜けたんだよ」



元から九条組のことは信じてなかったから、いつから狙っていたのかは知らないけど。



「それから」



「まなちゃん」



続きを話そうとすると隆さんがそれを遮った。



いつ部屋に入ってきたのかわかんなかったけど、隆さんを見れば極悪の笑みを浮かべていた。



「それ以上は、話さなくてもいいことだよ」



「は、はい」



こ、怖い。



魁さんよりは怖くないけど、同じぐらい怖い。



かなめたちがすごい聞きたそうな顔してる。



うぅ………申し訳ない。



「いいよ。無理には聞かないから」



「かなめ……」



相変わらず私の考えてることがよくお分かりで。



「かなめくん?まなちゃんに変なことしないでくださいね?」



「うーっす」



「聞いてないようですね」



か、かなめ……逆らわない方が………。

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