白い虎と蝶 ~絆~


かなめは私を後ろから抱えて、手で目を隠してきた。



え?



「あ、あぁ悪い。ちょっと昔のことを思い出してな」



……………。



私はかなめの手を離して、大丈夫だよと伝える。



かなめは少し心配そうに私の様子を伺っていた。



彗やひかる、慧たちは隆さんの後ろにいる般若に怯えている。



「隆さん、怯えてるからその顔はやめてあげて。何が言いたいのかはわかってるから」



「………あぁ。悪かったな」



「いいよ」



ひかるたちはほっと息をついた。



それより用がある時しかこない隆さんがここにいるんだ。



何か話しがあるんじゃないのかな。



そっちの方が気になる。



「それより、隆さんなにか用があったんじゃないの?」



「あぁ。ご飯が出来た。食べていけ」



私は人前に出るのが得意じゃないからきっとほかの人とは別の部屋で1人、かな?



ん?『食べていけ』?



「俺たちのもあるのか?」



「あぁ。もちろんだ」



「え?僕らの分もあるの?やった〜♪」



「ありがたくいただきます」



「あざっす」

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