白い虎と蝶 ~絆~


笑ったつもりはない。



「そうかな」



私は食べ終わった食器を片付けるために部屋を出た。



かなめも食べ終わったようだったけど、後をついてこなかった。












【sideかなめ】



ご飯をなんで1人で食べようとしたのかはわかったけどあの笑顔は一体なんだったんだ?



まなが部屋を出て行ったから俺も食器を持っていこうと思った。



でも。



「はぁ。 いつまでそうしてるつもりだ」



俺があとをついて行ったらこいつらも着いてくるだろうからな。



俺の後ろの扉がゆっくり開いた。



そこには予想していた人物たちがいた。



「何をしてるんだ。お前ら」



「だって気になるじゃん」



ムスッとした顔で言うひかる。



「俺は付き添いだ。暇だったからな」



何を言い訳じみたことを言ってんだコイツは。



「俺はまなさんの様子見っすよ」



呆れた。



ようは3人とも心配だったんだろーが。



俺と同じで。



部屋を出る時から少し様子がおかしかったからな。



ようやくまなのことが分かってきたのかこいつらは。



「お前らご飯は?」



「食べてないよ」



「ずっとここにいたからな」



「隆さんもいるっすよ」



ほんと何やってんの。



「わかったわかった。俺もそっち行くから」



俺食ったけど、コイツらの飯シーンを見るとはな。



まなの方が気になったけどあの部屋に行けば大丈夫だと思いひかる達が食べ終わるのを隆さんと会話しながら待った。

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