白い虎と蝶 ~絆~
黒狼
【sideまな】
食器を台所まで持っていく。
「かなさん、お持ちしましょうか」
「…………」
私は食器を持ったまま歩く。
「大丈夫のようっすね。りょうかいしやした」
みんな私の扱いにはもう慣れているようだ。
会話をしない私にここのみんなはいつも話しかけてくる。
私からの言葉が返ってくることはないのに。
それでも、私の行動で判断してくれる。
優しいよね。ほんと。
ここの人達にはみんな会話してもいいと今なら少し思える。
それでも、ごめんなさい。私がこれに慣れてしまった。
私は小さく「ごちそうさまでした」と言って返却口のような所に食器を置いた。
そのまま部屋に戻ろうとして立ち止まる。
『自分のことに疎いんだな』
さっきのかなめの言葉が私の頭に過ぎった。
「疎い、か」
私は来た方とは別の道から部屋に戻ることにして、方向を変えた。
何も考えずに部屋までの廊下を歩いていると台所から2つ曲がったところで携帯が鳴った。
予備の携帯だ。取り返すまで隆さんが持ってろと渡してくれたものだ。
食器を台所まで持っていく。
「かなさん、お持ちしましょうか」
「…………」
私は食器を持ったまま歩く。
「大丈夫のようっすね。りょうかいしやした」
みんな私の扱いにはもう慣れているようだ。
会話をしない私にここのみんなはいつも話しかけてくる。
私からの言葉が返ってくることはないのに。
それでも、私の行動で判断してくれる。
優しいよね。ほんと。
ここの人達にはみんな会話してもいいと今なら少し思える。
それでも、ごめんなさい。私がこれに慣れてしまった。
私は小さく「ごちそうさまでした」と言って返却口のような所に食器を置いた。
そのまま部屋に戻ろうとして立ち止まる。
『自分のことに疎いんだな』
さっきのかなめの言葉が私の頭に過ぎった。
「疎い、か」
私は来た方とは別の道から部屋に戻ることにして、方向を変えた。
何も考えずに部屋までの廊下を歩いていると台所から2つ曲がったところで携帯が鳴った。
予備の携帯だ。取り返すまで隆さんが持ってろと渡してくれたものだ。