白い虎と蝶 ~絆~
「電話?」
携帯を見れば電話だった。
非通知。
誰だろ。
ピッ。
「………」
『相変わらず非通知の電話は無言で出てるんだな。2日ぶりかな?つばき』
「っ!す、ざく」
電話の相手は朱雀だった。
2日前のあの出来事がフラッシュバッグする。
大丈夫。大丈夫。
震えそうな体を抑え込む。
「……なんの用」
『今俺が使ってる携帯が、誰のか分かるか?』
「私の携帯って、言わせたいの?」
『ロックが何番かわかんねーから、緊急でかけてんだよ。魁に関係してるかとも思ったんだけど違くてよ。
隆でもない。かなめの奴でもねーし。もーお手上げだよ』
流石だな。なんて言いながら楽しそうだ。
「返せ」
番号なら分からないはずだ。
こいつが絶対知ることは無い番号だから。
『なら、1人で俺ら黒狼のところに来い。お前が俺のモノになるなら返してやる。
それに隆や白虎にはもう会えない』