白い虎と蝶 ~絆~
「誰がお前なんかのモノになるものか」
なってたまるか。
お前のものになってもろくなことがない。
それに裏切れるわけがない。
『そんなこと、言えるの?大事なんだろ?この携帯』
「っ!」
付き合いが長いだけあってこいつは私のことをなんでも知ってる。
弱いところは見せたことない。
大事なものだって分からないようにしていた。
だけど、やっぱりあれだけ長い間嫌でも一緒にいればわかってしまうのだろう。
『隆やかなめはお前のことに鋭いからな。返して欲しかったらバレないように気持ちに鍵かけて来いよ。
もし誰かにバレたら携帯はすぐに壊す。鍵をかけることぐらい、つばきにはできるよな?』
「っ……卑怯者。誰が」
ふっ。と鼻で笑った朱雀。
『つばきは、俺のところに来るよ。必ず』
反論しようしたが電話が切れてしまった。
携帯とかなめを天秤にかけろって言うのか。
もちろん、私は迷わず携帯の方を取る。
でも、気になる。
なんでかなめに気づかれちゃいけないのだろう。
朱雀にとってかなめたちはそれなりに脅威になるってことなのかな?
そんなことは私には関係ないけどかなめに会えないってどうゆうことだろうか。