白い虎と蝶 ~絆~
よし、財布を持って。



これだけでいいだろう。



私の中からかなめに関わるものを全てここに置いて行こう。



白蝶の格好で行った方がいいだろう。



見つかった時に何かと言い訳が出来そうだ。



部屋に鍵をかけて白蝶の姿に着替える。



魁さんと隆さんと私の3人しか知らない部屋の中にある出口から部屋を出ることにする。



本棚を横にずらし5桁の数字を入れる。



21981。



静かに扉が開く。



外からは閉められないため本棚を元に戻し『閉める』と表情されているボタンを押して急いで外に出た。



荷物や靴はそのままだからまだ家の中にいると思って探すだろう。



初めて無断でこの扉を使ったな。



さようなら、みんな。



私は家の周りを囲んでいる壁をどうにか伝って外にでた。



そのまま朱雀のいるであろう黒狼の支配下の街へ向かう。



携帯で朱雀に電話をかける。



『どうやら九条組を出たようだね。つばき』



やっぱり監視してる。



それともどこかにGPSでも付けてるの?



「迎えに来て。そっちまで歩くと時間がかかる」



『俺のモノになるなら迎えに行くよ』

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