白い虎と蝶 ~絆~
それにさらに、鍵をかけたんだ。
わかる人はそうはいない。
この鍵は簡単には外させないし、外すつもりもない。
「ここまでわからなくなるとはね。俺は高城くんよりも、君のこと分かるんだけど鍵をかけた途端にこれじゃー、さっぱりだよ」
かなめより?
何を言ってるんだ。
今だってわかってないくせに。
かなめなら、きっとわかるよ。
私の中でいつの間にかかなめたちは大きな存在になってたんだね。
そう気づいた矢先にもう会えないなんてね。
私には関係ないと自分に言い聞かせた。
それより朱雀が迎えに来てないってことは今向かってるのは朱雀のいる所?
そこにはあと一人いるんだよね?
四葉崎琥太(しばざき こうた)って人が。
変わり者の集まり。
そのくせとても強い黒狼。
前まで私と同じぐらいの強さだった朱雀。
それが今の私じゃ適わないぐらいに強くなってる。
もしかしたら、あの頃から手加減とかしてわざと負けてたのかな。
だとしたら、朱雀はあの頃から九条組を裏切ってたってことだ。
今の私も、もう朱雀と同じか。
信じようとしていた白虎たちに黙って出てきて、そのうち戦うことになりそうな予感もする。