白い虎と蝶 ~絆~
隆は心ここに在らずと言ったところとか。



「かなさんからは隆さんと白虎の皆さんにさよなら。って伝えてくださいって言ってました」



「さよなら?」



ようやく声を出せたひかるが復唱する。



「隆と白虎に?」



組員が佐伯に聞く。



さっきとは打って変わって厳しい表情になる。



「はい。間違いなく」






「そうか……隆と白虎に」



なにかわかったように言う組長。



「なにかわかったのなら話してください。数週間だけとはいえ関わってるんです」



組長はしばらく腕を組んだまま考え込んだ。



まるでどこまで話していいのか考えているように。



「そうだな。全部話してもいいだろう」



「組長!」



「隆。俺はかなの目が間違ってるとは思えない」



「………はい」



「こいつらはへーきだ。かなのことをよく理解している。



かなめ、と言ったか?ここからは組長と白虎の総長として話そうか」



俺はその言葉に身を引き締めた。



それを確認した組長は佐伯さんをこの部屋から退出させた。



部屋には組長と隆、白虎だけになった。



部屋の扉が閉まってすぐに組長を話を始めた。

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