白い虎と蝶 ~絆~
そこまで話して組長は過去を懐かしむように天井を見た。
「たまたまだったんだよ。かなが神野の野郎たちを倒したんだ。それを知った神野は九条家がやったと思った。
『白蝶』って名前は知ってたけど神野の野郎たちを倒せるとまでは思ってなかったみたいでな。俺たちの内部に入り込んだ。それが朱雀だ」
今度は隆が口を開いた。
「それから襲われるまでの1週間、かなちゃんは知らずのあいだに神野の下っ端を倒し続けた。
朱雀も流石に九条家がやったんじゃないって気づいて誰がやってるのかを調査した」
「その結果、白蝶であるかなだった」
「そうゆうこと」
それでも
「襲っていい理由にはならない」
「護衛で着いたのがかなと朱雀の初対面だって言ったな?あれは違う。
かなが忘れてるだけで、朱雀とかなは既に会ってる」
そういえば、誰かそんなようなこと言ってたような………。
「朱雀は白蝶がやってるとわかった次の日に会いに行ってる。
朱雀は元から女だと予想していたらしく会って確信したんだろう。それから、5日間のあいだ毎日会いに行ってる。
惚れたんだろう。でも、かなは朱雀を"見ていない"。
朱雀はかなを倒しに行ってた。でも、惚れた女を殴るなんて出来なかった朱雀はとにかく近づこうとした。
その後は聞いた通りだ」