白い虎と蝶 ~絆~


こんなヤツらとのやり取りに使いたくないとわけも分からず思ったからだ。



『そろそろ、鍵を解く気にならないのか?』



『なんの話?私がこうしてることになんの関係があなたにあるの?』



『1週間過ごしてもまだ変わる様子はない。俺達も傷つくんだよ。いつまでもそのままだったら』



『そう。でも、私にそれは関係ない。私がどうしようと私の自由』



『俺らの気持ちは無視か』



『願ったのはあなた達の総長さんだよ』



「それ以上言ったら殴るぞ」



メッセージでのやり取りに苛立ちが爆発したらしい。



睨みながら言う。



でも、怖くない。



なぜだろう。



睨まれたことなんかそんなにないはずなのにもっと怖い睨みを知ってるような感覚だ。



『殴るなり好きにしたら?そしたら私も忘れてるような何かを思い出すかもしれないし』



「…………あっそ。でもやらねーよ。朱雀に何もするなって言われてるからな」



『忠実』



『勝手に言ってろ』



私は何を忘れているんだろう。



大事な何かだった気がするのに、なんで思い出せないんだろう。



この携帯も朱雀たちが触れようとしただけで警戒して距離を取る。

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