白い虎と蝶 ~絆~
「かな」
かなめが呼ぶ。
かな………。
そうか。
みんながいるから……。
ちょっと寂しく思ったけど仕方ないと思った。
「九条家のみんなお前のこと全部知ってるよ。もう溜め込むな。隠すな。1人じゃないだろ?」
「かなめ……」
「九条家が嫌なら俺達がいる」
「おっと、かなめ。俺の前でそれは聞き捨てならねーな」
「うるせーよ、さっきまで寝込んでたくせに」
「まぁまぁ。それぐらいにしてください。魁も起きたばっかりなんだから」
かなめと魁さんの間に入る隆さん。
まるで
「………家族みたい」
「家族だろ?」
「家族だからな」
「家族じゃないんですか?」
「家族に決まってんだろ」
かなめ、魁さん、隆さん、組長が被せて言ってきた。
私の小さなつぶやきはみんなに聞こえていたようだ。
「家族……。私は、1人じゃないの?」
「当たり前だろ?」
「お前は相変わらず1人だと思ってるんだな」
「ここに来たときからお前は俺の娘だ」