白い虎と蝶 ~絆~
「ははは」
かなめ……魁さん……組長……隆さん……みんな……。
「ふっ…うっ……っ」
私はその場で泣き出した。
嬉しかった。
ずっと1人だと思っていたのは私だけで。
みんなはずっと家族だと思っていたことが。
「つばき」
「ふっ…うっ…ヒック……」
「ふははは。泣くなよ。ほら」
かなめは魁さんのように手を広げている。
私はもう、1人じゃないんだ。
かなめ………魁さん。
私、みんなに言いたいことがいっぱいあるよ。
伝えてないことがたくさんあるの。
「わかってるよ。帰ってからちゃんと聞いてやるから。今は思う存分泣けよ」
「おい、かなめ。お前も分かるのか」
「あぁ?わかるに決まってんだろ。…………お前にはやらねーぞ。こいつは俺のだ」
そんなことを言い合ってるのを私は知らない。