白い虎と蝶 ~絆~
「勝手に殺されちゃー困るぜ?かなめ」
「………は?」
組長の後ろの扉が開いたと思ったらそこには写真に写っていた魁と呼ばれる男が立っていた。
「な、な、なななんで、生きて!?」
「朱雀が、かなに何かしようとしてるのは分かってたからな。
俺が死んだと嘘を流して自由に動けるようにしてたんだよ。
おかげでかなには会えないし、助けたくても出来なくて苦労したぜ」
「俺がな」
隆が少し呆れ気味に言う。
まだ、頭が追いついていない。
ってことは、兄貴は生きてたのか?
「でも、かなは兄貴が」
「死んだと思ってるな」
「なんで教えなかった」
かなには教えてもいいだろうに。
「狙いはかなだから、だ。潰すためには俺が生きてるとはバレちゃ行けなかった。
かなに俺が生きていると知ったらあいつ、顔に出るだろ?」
そりゃ、出るけど!!
分かるのは兄貴と俺と朱雀………。
「………なるほど」
「そゆこと」
兄貴とこの年で初対面って話もおかしいよな。
それに、よそよそしくするのも変だ。
「準備ってのは兄貴の事だったのか?」