白い虎と蝶 ~絆~
「察しがいいな、かなめ」
組長がニコリと笑う。
「なら、もう行けるんだな?」
「あぁ。ただ、お前は隆と一緒に神野会へ行け」
俺の顔をじっと見ながら言う。
軽く睨んでもいる。
「はぁ?俺はかなのところに」
「ダメだ」
「理由は?」
「かなは今、心に鍵をかけてる。しかも朱雀でも解けない鍵をかけてるはずだ。
その鍵を解けるのは俺かお前の2人ぐらいってところか」
「なら俺が行っても」
「ダメだ」
「魁、意地悪してないでさっさと話せ」
「久しぶりの弟との再開なんだ。もっと楽しませろよ〜」
俺の兄貴ってこんなんなのか?
これでも、九条家の若頭だろ?
「面白いサプライズになるだろ?助けに来たのが死んだと思ってた俺だぜ?」
「くだらねー。そんなことかよ。あいつに早く会って分からせなきゃ行けないことがあんだよ」
そうだ。
俺には分からせなきゃいけないことがあるんだ。
「仕方ない。連れてってやる。が、雑魚どもをお前がやれ。俺はそのままかなのところに行く」
「チッ。わかったよ」
「あいつらに説明して来い」
「あぁ」
俺は部屋に戻り、ひかるたちに説明をした。
白虎と兄貴、隆と組長たちの二手に分かれて、神野会を潰しかなを取り返すために動いた。
車の中でも俺たちの家族の話は続き、色んなことが分かった。