白い虎と蝶 ~絆~


「何がしたかったんだ?」



「魁って呼ぶことと………自分から震えてない手で魁にぃの手を握ること」



ぎゅっと手を握る。



もう、魁にぃにも震えないよ。



かなめにも、隆にも。



震えない。



九条家の組員にも返事は……返したい。



まだ自分から話しかけたり、笑ったりは出来ないかもしれない。



けど、言葉を交わすことはできる気がするの。



「そうか。怖かったり、不安になることがあったら『俺に』言えよ」



魁にぃは私を優しく抱きしめて頭を撫でてくれた。



久しぶりの魁にぃの体温。



魁にぃの匂い。



落ち着く。



「おい兄貴。譲らねーぞ?」



「お前も、何かあったら俺に言ってこいよ」



「チッ」



最近舌打ちが増えたな……。



魁にぃと隆、かなめは私の家族。



白虎は大切な、仲間だ。



「魁にぃ、隆……今までありがと。これからも私の家族でいてね」



「っ!!はいっ!俺はつばきちゃんをここに連れてきた時から家族だと思っていましたよ。



やっとなれましたね」

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