白い虎と蝶 ~絆~
白虎
「……お……ぉい……おい!」
「!!!」
「大丈夫か?」
「………?」
ぼやけてた視界がはっきり見えるようになる。
目の前にはかなめの顔があった。
それには驚いたけど今の私はそれどころじゃなくて、さっきのことで頭の中がいっぱいだった。
また思い出しちゃった……。
あの時までは楽しかったな……。
「まぁいいけど。朝もぼーっとしてたよな。お前なんか"抱え込んで"んの?」
ビクッ。
「なっ、別に……」
話せるわけがない。
「まぁ、いつか言ってくれよな」
そー言って私の頭なでる。
いつか、ね。
来るのかなそんな日が。
来ると……いいな。
「うん。いつか、ね」
「おう!」
そー言ってかなめはニコッと笑う。
また、あの犬みたいな笑顔。
総長の時の顔とは違うそういう1面。
かわいい。
かなめの髪フワフワしてそう。