白い虎と蝶 ~絆~
「ん? うん」
姿勢を正す。
さっきの廊下でのこと……聞かれるのかな。
私はドキドキしながら、かなめが口を開くのを待った。
「なんでお前この時期にここに転校してきた?」
「え?」
思っていた質問と違って驚いた私の心でも読んだのか、他に何があんだよとでも言いたげな顔を向けてきたかなめ。
「あー……まぁ、親の都合で、かな?」
「ふーん」
嘘だ。
ホントは青龍を潰すため。
あの人のために。
それと私に両親はいない。
そんなこと、青龍の敵とはいえ言えるわけがない。
罪悪感でかなめの顔が見れず俯く。
「大変だな。 ま、今日会ったばっかだしホントのことは言わなくていいけどな」
バレてる……。
さすがです。
「俺を甘く見るなよ? そんぐらいわかる。いろんなやつを見てきてんだ。お前が何を抱えてるのかは知らねーけど、溜め込み過ぎるのはよくねぇ。話したくねぇなら無理には聞かねぇが。話したくなったら話せ」
机から降りて私の頭に手を置いた。
かなめには隠し事は出来なさそうだけど、バレちゃいけない。