白い虎と蝶 ~絆~
もっとちゃんと隠さなきゃだな。
なにより、気づかれちゃいけない人たちだから。
1番気づかれちゃいけないのが目の前にいるかなめたちだし。
私はえへへと作り笑いを浮かべる。
「ありがと」
「おう!」
そーいって、満足げに笑顔を向けてきた。
あと何回かなめの笑顔が見れるだろ。
あと何回、かなめと話せるだろ。
もう少ししたら、私はこの人に冷たい目をむけられるんだ。
………。
って、なんで私ショックなんか受けてるの。
この人たちと仲良くなりたいの?
無駄無駄。
「……あ、やべぇ!」
かなめがなにかを思い出したように言った。
すっかり聞くの忘れてたけど、なんでこっちに来たんだろ。
敵だって多いっていうのに。
「あいつら、探してるだろーな。まぁ、ここに俺いつもいるし、どーせあいつらの事だ。ここに来るだろ」
え?
誰が来るの?
ってか、いつもいるの?
「かなめ?」
「どした?話す気になったか?」