白い虎と蝶 ~絆~


屋上で、さっきってことは、"アレ"かな?



でも、煙突からは見えないからそれじゃないはず。



あとあるとしたら………あれか。



でも、私は知らないフリをしておく。



視線を感じて見てみればかなめが見ている。



その目はなんでもお見通しってわけですか。



「なにかあったのか?」



「あー…かなめはいなかったからな」



「そーだね。なんかあったというより、"アイツ"が肩に触れそうになったこと、かな?」



ギグッ。



「触れ"そうに"なった……?」



「うん。あとは、耳打ちしてたね」



「………」



見えてたの?



これは……ごまかしがきかないやつだ。



「まな」



「ん?」



かなめに呼ばれて反応すれば、やっと話した私を食い入るように見ているひかると彗。



「話せるか?話せるなら、誤魔化さずに話せ」



「かなめ……」



「俺も、話してほしい」



「まぁ、聞くぐらいなら」



ひかると彗の順で言った。



話して、大丈夫……かな?



また……。

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